カテゴリー: 日常

日常で起きたことを書きます

  • 新人採用

    新しい人を採用できた。

    我々のような小規模な事業所は、求人を出しても、なかなか面接が決まらない。

    自分で面接を申し込んできた人の、当日のドタキャンも何度も食らってきた。

    そもそも、年末でも年度末でもないこの時期に、求職者なんているのか?

    来てくれたとしても、訳アリの人なんじゃないか?

    よく考えたら、先日辞めていった人も、一生懸命やってくれたが結果として、「中途半端なタイミングで入職」し、「中途半端なタイミングで退職」となった。勤務実績からしても、訳アリと言わざるを得なかった。

    同じ轍を踏んでしまうのではないだろうか?

    採用を前にした事業主の心配事を挙げるとキリがない。

    今回、付き合いのある事業所の社長さんなどに、直接聞けるチャンスが来るたびに、採用をどうしているか、聞きまくった。

    結果、

    「求人掲載サイトよりもエージェントを使うべし!」

    との結論に至った。

    確かに、知名度がなくて自然に求職者が現れてくれないうちは、どんなに求人を出しても目に触れない、人にアクセスできない。

    エージェントにお金を払えばうちのクリニックの事を知ってくれて、求職者に紹介してくれる。

    いい人が来ないと、診療もままならない。

    注意点は、このエージェントがうちの事業所にいい印象を持ってくれているかどうか、どのような紹介を求職者にしてくれるのか。

    といった点だろう。

    看護師という、元来情緒不安定な職種の紹介は、小資本で多額のお金を生む、美味しい仲介業である。これを逆手に取った悪徳なエージェントも一部存在するとは聞いている。

    今回、知り合いの社長さんからエージェントを紹介してもらい、できるだけ正直にうちの状況をお話しした。

    運営5年目で、徐々に集患ができるようになり、「いよいよ事業拡大か!」などと息を巻いていたが、とんでもなかった。

    まだまだ我々は、現金で事業に投資をしていかないと、脆弱な状態にあると思い知らされた。

    エージェントさんがすぐに複数の面接を組んでくれ、選択肢が採用者を選ぶことが出来た。

    この、「人が出ていっても、次を採用できる」という成功体験こそが、経営で次の手に打って出られる、自信になる。

    おごらず、淡々と、できることを積み上げていきたいと思う

  • スタッフが辞めるまでのインターバル

    ジョナ作です。

    本日も記事を見てくださり有難うございます。


    うちに1年務めてくれた看護師が今月、ようやく辞める。

    思えば1年前、初めて使う人材紹介会社から紹介された方だった。

    看護師歴20年、病院勤務歴7年、人柄もよさそうだったし、一生懸命やってくれそうな雰囲気があった。

    試用期間の半年はこちらも辞めてほしくなかったので、気になることがあってもあまり指摘しなかった。

    心電図を取ったことがない、採血では高頻度で溶血、難聴の患者に長い文で喋るなどなど…。

    色々と目につくところはあったが、こちらも苦労してようやく採用できたスタッフだったので、あまり指摘せず半年の試用期間が終わった。

    しかし、いよいよこちらから無期契約を打診する段階になると、内心かなり迷った。

    「この人と、ずっと一緒に働けるだろうか?」

    半年間の試用期間の勤務に対する評価はかなり低かった。

    一度言ったことを1-2週間で忘れる、予め伝えていた予定に対し準備ができていない、わからない事があっても質問ができないなどなど…。

    思い切って、以前の職場ではどのような内容を担当していたのか聞いてみた。

    すると、病院での勤務経験の大半は「健康診断」部門だったそうだ。

    健康診断部門で数年勤務していて、心電図も取ったことがないという事は、血圧や問診、採血が業務の殆どだったのだろう。

    在宅医療で求められる患者との対話、他業種との連携、医療行為などが概ね現場の水準に到達していない事にも納得がいく。

    病気の患者を診てきた経験が絶対的に少ないのだ。

    また採血を数年やってきた方の割には、溶血の頻度が高く、当院で行った採血の7割くらいが溶結でパニック値報告が返ってきていた。

    今まで、自分に任された数少ない手技にも、本気で向き合ってこだわった経験がないのだろうと、予想された。

    私は元々外科をやっていた。

    外科医は、針の扱い、静脈路確保、一連の採血動作を一つ一つも突き詰めて練習して、始めて現場で実践できると教わってきた。

    周囲の同僚もそうだったし、患者に医療を提供するという事は、悪魔の様な繊細さで細部をつきつめ、明確なビジョンをもって現場に臨む事だと思っていた。

    「いつも翼状針はどこを持っていますか?」などと質問しても会話が成立しない人が現場で一人前の顔で採血をしているという事が、信じられなかった。

    そうはいっても、病気の人をほとんど見たことがない看護師に、採血検査で正確な数値を得る事の重要さを説いても無駄だろう。

    何となく、半年間の勤務で任せる業務の出来が、一つ一つずさんに見えた理由が分かった気がした。

    本人の中でのスタンダードが低すぎるため、「手抜きをしている」という意識は恐らくないにもかかわらず、至って真面目に、淡々と小さなミスを積み重ねてしまうのだ。

    問題はこの方の伸びしろをどう評価するかなのかもしれない。

    40代前半。「頑張るので教えてください!」といったスタンスで働かれるのも困るご年齢だが、新たな知識を身に着けるには、遅すぎないかもしれない。

    試用期間が終わって無期契約を申し出るにあたり、「もう少し、医療について勉強をしてほしい」事を伝えて、よく考えてほしくて契約書を渡した。

    すると次の日、「お願いしまーす」といったい淡々とした様子で無期雇用契約の契約書を持ってきた。

    私の中で、何かスイッチが入った。

    「このままの勤務態度でずっと居座られては、こちらが溜まらない。常勤契約を機に、もうすこし危機感を持って成長してもらうよう、少し厳しく指摘していこう」

    契約を更改してから1-2カ月、今まで気になっていたことを一つずつ指摘していった。

    「半年間で、業務に慣れていただいたと思うので、これくらいは出来てほしい」

    「今まで指摘しなかったが、もう少し改善してほしい」

    など、細かい点を指摘するようにした。

    自分よりも年上で医療者としての経歴も長い方に、一つ一つ指摘していくのは、大変疲れる作業だった。

    そして契約更改から3か月目に「院長、お話があります」と呼ばれ、自主退職の意向を伝えられた。

    共同経営者の妻には、「あなたの人格が成っていないから人が離れていく」みたいなことをさんざん言われてしまったが、

    個人的にはこれで清々するなといった心境だった。

    中小企業の採用戦略に関する本を買って読んだり、業務マニュアルを充実させたり、大手人材紹介会社に登録するなど被雇用者にとっての環境の改善を図った。

    自分の中では、今回の採用は身を持って良い勉強をになった。

    医師である自分が稼ぎ頭のクリニックで、医師が伸び伸びと働けない職場になってしまったら、結局は破滅を迎えることになるだろう。

    パフォーマンスが現場の要求に達していない社員のために社長が萎縮して事業が成長の機会を逃すよりは、時間と労力をかけてもう少しまともな人材の採用を目指した方が良いと思うようになった。

    「こんな小さなクリニックに来てくれて、ありがとう」みたいなことを面接に来てくださる方に言ったこともあるが、もっと自分自身が、意識を高く持たなければならないと思ったのであった。

    そんなスタッフがようやく辞める。

    正社員は通告から退職までに3か月のインターバルを契約上設けているが、この期間中の勤務態度は、拍車をかけてスタッフが「何も進歩しない」時期で、今更指摘もできずテンションが下がり続ける日々であった。

    ようやくこのインターバル期間が終わると思うと、スタッフは減り仕事は増えるが、個人的には一旦ホッとすることができる。